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第29回「おしえて!さかなクン」さかなクン

日本で最も有名な魚オタクが誘う、魅惑の海の世界

 ギョギョー!

 みなさん、さかなクン好きですか。ぼくは好きです。

 僕の心の中の「こうはなれないけど憧れる男ランキング」第1位がさかなクンです。2位以下?まあどうでもええやん。(考えてない)とにかく僕もいずれさかなクンのような男になりたいと思ってるわけですよ!

 

 さかなクンの業績と言えばなんといっても2010年のクニマス発見でしょう。クニマスは秋田県の田沢湖のみに生息していた魚ですが、大昔に絶滅したと思われていました。その絶滅したと思われた魚を発見したのがさかなクンたちでした。

 今回紹介する本は、角川つばさ文庫から出された「おしえて!さかなクン」のシリーズです。この本の3巻にはクニマスの発見のいきさつも書いてあり、大発見の舞台裏がのぞけます。

 しかし、そんな大発見はさかなクンの凄さのほんの一部。

 この本を読み終える頃には、さかなクンの偉大さが良く分かることでしょう。今日は忙しい皆さんのために、僕がちょっと代理でさかなクンの偉大さの一部をご説明します。

 

1:さかな知識だけじゃない

 さかなクンの書く魚の本ということで、色々な魚が「どこに生息してて〜」とか「何月頃に本州沖にきて〜」みたいな話が紹介されてる図鑑本かと思う方も多いでしょう。まあ基本その通りなんですが、そういうWikipediaに載ってる情報と大差ないような、ただの魚図鑑と思っちゃ大間違い。

 この本で紹介される魚は、基本的に「さかなクンの目からみた魚たち」なのです。日本全国の様々な漁村を渡り歩いてきたさかなクンは、実際に魚が棲んでいる海、魚を取る漁師の姿を見て、その魚を食べて(!)その上で魚を紹介します。だから魚の生態だけでなく、どうやって漁をしているのか、海に暮らす人たちにとってどんな存在なのか、美味しい食べ方は何か…そういった、「魚と生活との関わり」までも教えてくれるのです。

 また、魚は海藻も食べて生きてますから、「ワカメ」や「マコモ」なんて海藻についても教えてくれます。

 魚の生態知識だけでなく、その魚にまつわる知識や知恵も教えてくれるのですね。

 

2:魚の絵がすごい

 さかなクンは優れたイラストレーターでもあります。色鉛筆で描かれた美麗でかわいらしい魚のイラストは、その豊かな色彩に心奪われます。

 ただ写実的に魚を描いているのではなく、さかなクン流に大きくデフォルメされています。その魚の特徴的な部分をより強調しつつ、見やすく描かれていますが、とくに印象的なのは魚がどれも可愛らしく描かれていることです。目を強調してハイライトを入れてるせいかも知れませんが、一匹一匹の魚に知性や愛着を感じるような描き方をしています。そのため、魚類にまったく愛着の無かった僕でも「あれっ、意外と魚って可愛いんじゃん?」と思ってしまいました。さかなクンの魚に対する愛情が伝染してくるのかもしれません。

 

3:やっぱり魚の知識がすごい

 魚の説明をするときには、その魚にまつわるさかなクンの実体験なども書かれているのですが、結構多くの魚が「初めて見たのは小学生のときでした!」と書かれてて、やっぱさかなクンは小学生の時からさかなクンなんだな〜と思わされます。

 若かりしさかなクンは魚屋のバイトをしていた頃、店長のおじさんに魚の話ばっかりしていたら「お前、将来は魚博士になれるぞ!そしたら俺を雇ってくれよな」と言われたそうです。魚屋もお墨付きの豊富な魚知識は、若い頃からなのですね。(僕は心が汚れているので、店長のおじさんが話に付き合うのが面倒でそう言ったのではないかという疑惑をもってしまいますが…)

 

 他人が興味の無い分野を魅力的にみせる、紹介するというのは、本当に難しいことですが、さかなクンはそれを実に見事にやってのけているんですよね。

 世の人々の大半は魚に対してそれほど興味を持ってるわけではないでしょうが、さかなクンがテレビや本や目の前で魚について熱く語ると、誰もが耳を傾け、魚って面白そう、カワイイかもと思ってしまう。そこがさかなクンの魅力の一つだと思います。

 僕もさかなクンに少しでも近づけるよう、様々な本、様々な知識の魅力を伝えていきたいと思います。

 

 さかなクンが出会った、全てのお魚と生き物に共通していえることは、みんな一生懸命に輝きながら生きていることです!!わずか数センチの小さな体で、全ての力をふりしぼり、キラキラ輝く目で周りを見ながら卵を守る親の魚からは、ものすっギョいパワーが伝わってきます。それぞれのお魚の姿、形、色、模様、大きさ、習性が、それぞれくらす環境に素晴らしく合っていることに感動します!!

(「おしえて!さかなクン」さかなクン)

自習室Rassvet

学ぶことは楽しい。探求は人生だ。

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